月別アーカイブ: 2011年1月

「リビング・トゥゲザー・ロンリネス」の帰趨 (ダイヤモンド・オンラインより引用)

夫婦関係が破綻しても同じ屋根の下に暮らす 「リビング・トゥゲザー・ロンリネス」の悲劇 ~孤独死、同居の孤独…日本は世界の反面教師? エリック・クリネンバーグ ニューヨーク大学社会学部教授に聞く|World Voiceプレミアム|ダイヤモンド・オンライン

――あなたが新刊のなかで指摘した「リビング・トゥゲザー・ロンリネス(同居による寂しさ)」とは具体的にどういうことか。

私は本の執筆のために約300人の独居者にインタビューしたが最も衝撃を受けたのは、多くの人が人生のなかで最も寂しいと感じるのは(夫婦)関係が破たんした人といっしょに住むことと答えていることだ。自分と合わない人と結婚生活を続けるほど寂しいことはない。だから米国では離婚が多いのである。

――日本では夫婦関係が破たんしても独り暮らしの寂しさや孤独死の不安を考えて離婚しない人もいるようだが。

多くの人が孤独死を恐れるというのは理解できる。でも、自分と合わない人、関係が破たんした人と結婚生活を続けるというのは大変なことである。
男性にしてみれば40代で離婚の危機を乗り切れば70代の高齢になって独居の寂しさを感じなくて済むと考えるかもしれないが、女性はそうはいかない。女性の平均寿命が男性よりかなり長いことを考えれば、妻は結婚生活を全うしても夫が先に亡くなり、最終的に独り暮らしをして亡くなることになる。
それなら嫌な相手と結婚生活を続ける意味はない。実際、結婚生活を終わらせる(離婚を切り出す)のは圧倒的に男性より女性のほうが多いが、それは結婚生活を続けても高齢になってから社会支援などの面であまり得るものはないと感じるからかもしれない。


この問題は今後の人類の共通課題となり、また最大の課題となっていく。結局人間の幸福観を追求していくと、最終的にこの問題に行き当たる。つまり我々が本当の幸福を手に入れようとすれば、「共にいたい人」、「永遠の伴侶」という問題を避けて通ることができない。これを解決できるコミュニティと国家が本当の意味で世界を凌駕することになるはずだ。それは人類にとって、聖書の創世記が記録した「男女の相克史」を元返すための宿命といえるだろう。

韓国社会にみる「韓流」指向

中央日報 – “決別宣言” KARA、結局はお金の問題?

韓国芸能界は「韓流」を地で行く。雇用者も被雇用者もその親も巻き込む波乱の人生。そこまでして必死になる人生の背後には、やはり韓国が置かれた困難な歴史的・国際的状況が垣間見える。

以前韓国旅行に行った際、ソウルと地方の田舎町を公共交通機関で一人旅する機会があった。地方の田舎を通る広い道路でヒッチハイクしたら気のいいお兄さんが乗せてくれ、お礼も受け取らずに丁重に目的地まで送ってくれたので、非常に恐縮したことを覚えている。彼との会話で印象的だったのが「自分は韓国が嫌いです」という話だった。しがらみの大きな社会の中で国を出たがっている若者が多いと聞いた。自分が知る日本在住の韓国人の中にも「日本に住んでみて安らぎの生活ができるようになった」という人がいた。

今回の出来事は上記の話を象徴する内容だと感じる。相応の給料支払を渋る雇用側。子供の栄誉を確保しようと声を荒げる親の側。その闘いは正に韓流ドラマそのもの、いやそれ以上の闇が犇めく世界だ。無論日本にも似たような話は事欠かないと思うが、おそらくここまで派手なせめぎ合いは少ないと思う。

それでもやはり彼らには日本人にないバイタリテイがある。お互いが持ち合わせていないメリットを共有するような精神的余裕とプラス思考をもって生活できれば、今後の日韓関係は大きく改善できるはずだ。

「子ども手当」のトリック

トリック発見!これ程くだらない「子ども手当」

親を通して子ども手当をもらった子供は一生の間にその税金を払う。生涯子供を持たなかった人も子供の時すでに子ども手当をもらっているのだから条件は同一である。
兄弟の多かった人も一人ひとりもらっているのだから条件は同一である。
要するに独身であろうと兄弟が多かろうともらう条件と払う条件は同一、平等です。
もらうといってもただでもらうわけではなく後々税金として払うわけです。こう言ったら分かりやすいでしょう。
子ども手当の本質=親を通してもらった子ども手当を当人が長期にわたって返済する。
使い道を決めるのは親でどう使われるのかは家庭の境遇や気分など親次第。
確実に分かっているのは、子供の為に使われた事になっているので当人は背負わされた借金を長期にわたって返済していかなければならないということです。

子ども手当の意味。親が使った借金を子が返す。ただそれだけ。


今日の報道でいつの間にか政府要職に就くという話になっている与謝野氏について、子ども手当との関連を調べていたら上記ブログを見つけました。
名前からして胡散臭さを感じていた「子ども手当」でしたが、非常に分かりやすい説明に納得でした。
まずもってこの手当を支払うのに紙幣(国債)を発行するという感覚が許せません。

ハイチのマザー・テレサ(時事ドットコムより)

時事ドットコム:「はい上がらなきゃ」=邦人女性、震災復興に取り組む-「ハイチのマザー・テレサ」

【レオガン(ハイチ)時事】カリブ海のハイチで死者22万人を出した大地震から12日で1年。この国に30年以上住み、医療活動に取り組んできた日本人女性がいる。医師で修道女の須藤昭子さん(83)。「はい上がらなきゃしょうがない。負けてはいられない」-。10日までに時事通信のインタビューに応じた須藤さんは、大地震やコレラ禍からの復興に力を尽くしたいと語った。

須藤さんは1976年、クリストロア宣教修道女会(本部カナダ)の医師として、ハイチに赴任した。それ以降、首都ポルトープランス西方約30キロにあるレオガンの国立結核療養所で患者の治療に従事し、「ハイチのマザー・テレサ」の名が定着した。

昨年1月の大地震で療養所は倒壊。その際、たまたま日本に一時帰国していて須藤さんは難を逃れたが、患者数人が亡くなった。地震前は医師6人前後が交代で勤務。「地震後にほとんどの医師が戻って来ず、週末に医者を置けない病院になってしまった」と肩を落とす。約50人の入所者は今もテントでの生活を余儀なくされている。
須藤さんは80歳で診療現場から退き、今は療養所の再建に力を注ぐ。「予定通りには進んでいないが、私がやらなければ」と話し、引退の2文字には無縁な様子。「多くの人は自分の人生に自分で区切りを付けてしまうようだけど、何かしないと生きている意味がない」と強調する。

農業振興と雇用創出を目指し、植林・農業学校の創設もかねて計画。今は地震で行き詰まった形だが、近い将来何としても実現する決意だ。

苦難の中にあるハイチの人々については、「苦しみに対して我慢強い。どんな困難も乗り越えようとする性格が好き」。ハイチと共に歩み続ける須藤さんの思いは揺るがない。(2011/01/11-09:01)


医療活動だけでなく植林事業まで設立するこのバイタリティに敬服します。日本人女性、そして基督教信仰の偉大さを改めて垣間見る思いです。

究極の資源 メタンハイドレート(産経新聞より)

「近海の宝」掘り出せ メタンハイドレート 世界最大の試験装置導入 – MSN産経ニュース

2011.1.11 02:00

天然ガスの原料として海底などに眠っているシャーベット状のメタンガス、メタンハイドレートの採取に向けて、政府が今春、世界最大の室内試験装置を導入して本格的な実証を開始することが10日、分かった。メタンハイドレートは日本近海に大量に存在することが確認されている。平成24年度には海洋実験に乗り出す方針だ。実用化されれば、石油や天然ガスなどを輸入に頼る日本のエネルギー戦略にとって画期的な技術となる。

メタンハイドレートは日本近海のほか、南シナ海やロシアの永久凍土地帯などに存在している。油田のように掘り当ててもメタンガスが噴出することはないため、採取技術をめぐり日本や米国、韓国、中国などが国家プロジェクトとして研究を進めている。

今回、世界最大の室内試験装置を設置して実証実験を行うのは、経済産業省が所管する独立行政法人産業技術総合研究所。これまでの採取実験で、130気圧の状態で存在するメタンハイドレート層を30気圧に減圧すれば、最も効果的にメタンガスを取り出せる仕組みを突き止めており、これを応用することにした。

具体的には、海底のメタンハイドレート層に接した部分まで井戸を通し、ポンプで海水を吸い上げる方法でメタンハイドレート層にかかる井戸内の気圧を下げて、気泡状のメタンガスを発生させる技術を確立したい考え。3月に産総研のメタンハイドレート研究センター(札幌市)で井戸を想定した内径1メートル、高さ3メートルの世界最大となる室内産出試験装置を導入し、井戸に必要な強度などの調査に乗り出す。

メタンハイドレートは、日本近海の東部南海トラフだけで日本の天然ガス年間消費量の13・5年分に相当する約1兆1400億立方メートルの存在が確認されており、現在のガス田の埋蔵量ランキングにあてはめると世界20位程度に位置する。

このため、政府は6年から通産省(現経済産業省)が中心となって基礎的研究を開始し、12年に開発検討委員会を発足させて技術開発に乗り出していた。

経産省・資源エネルギー庁は30年度に商業生産技術を確立する計画で、実験費用などとして23年度予算案に89億円を計上。「減圧法による海洋や漁業への影響も、ほとんど問題のないことが分かっている」としており、実用化を急ぐ考えだ。

■メタンハイドレート

天然ガスの原料となるメタンを水の分子が取り囲んだ状態の固体結晶。永久凍土地帯や大陸縁辺部の海域に高圧低温の条件下で生成され、火をつけると燃えるため「燃える氷」といわれる。燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量は石炭や石油に比べると半分程度で、地球温暖化対策にも効果的な新たなエネルギー源として注目されている。


ついに究極のエネルギー戦略が始動したようだ。最近読んだ『日本の「水」がなくなる日』でこれからの日本の資源は「木」であることを確信したが、これとと同時に展開すべき戦略だと考える。

沖縄21世紀ビジョン (世界日報1月6日号「新春対談」より引用)

新春対談:沖縄21世紀ビジョンを語る

将来は「一国二制度」導入を
戦略的に「文化力」を発信 仲井真
観光推進し国の威厳示せ 木下

木下 新しい沖縄振興策には、知事がおっしゃったとおり、「沖縄振興一括交付金」のような法律に基づいた財政的裏付けが必要ですね。それに、沖縄にはこれまで、金融特区、自由貿易特区、IT特区などの特区構想が実施されてきましたが、経済がグローバル化して国際競争が激化する中で、現行の法律ではどうしても限界があるような気がしてなりません。政府は、沖縄の地理的優位性、潜在能力を生かすためには、香港や台湾のように思い切って、近い将来「一国二制度」に踏み切るべきだと思いますが、どうでしょうか。

仲井真 「一国二制度」には私も同感です。新たな沖縄振興のための法律では、シンガポールのような高い国際競争力を生む経済振興のための特別地域制度が実現するようなものを盛り込みたいと考えています。一昨年、全日本空輸が那覇空港で貨物ハブ事業を始めました。アジアの大都市に4時間圏内で到着するという地理的優位性を生かした航空貨物ハブ機能が成功しています。これをきっかけに国際物流拠点として臨空・臨港型産業を集積したい。そんな中、「一国二制度」的な税制導入や規制緩和がないとアジアの中では生き残れません。「一国二制度」は県益だけでなく国益にかなうと国に強く訴えていきたい。

木下 沖縄が「一国二制度」になれば、本土が見る沖縄、世界が見る沖縄が変わってきて、経済的にも観光面でも沖縄が繁栄し、日本全体にとっても国益にかなうものですね。

沖縄はやはり碧い空、青い海、美しい自然、思いやりの島、癒やしの島として観光が今後も主力産業になることは変わりないと思います。観光とは、「国の光」を見せることによって国家としての信頼を得、ひいては世界平和に貢献することができると思います。中国古典の易経の中に「国の光を観る、用て王に賓たるに利し」とあります。一国の文化、文物、風光などを観るのは国の王様の品格に相応しく、また、それに役立つというのですが、ここから観光という言葉が出てきます。つまり、観光を推進することが沖縄、ひいては日本の威厳を高め、さらには、世界平和への貢献につながっていきます。


現在の政治情勢下での「一国二制度」はリスクも伴う側面もあるが、中長期的展望としては非常に重要な視点を提供していることを評価したい。

消費税論議の虚しさ (WSJ.com 社説より)

国内 / 政治 / 【社説】沈みゆく日本に迷う時間はない / The Wall Street Journal, Japan Online Edition – WSJ.com

2011年 1月 5日 10:35 JST

日本の政治は混乱している。内閣支持率は20%そこそこだ。菅直人首相は小沢一郎氏を民主党から追放しようとしている。そうすることで首相の人気は上がるかもしれないが、危うい過半数を割り込むだけの離反が起こるだろう。年頭に持ち出した消費税増税は、昨年の参院選で敗北を喫した要因であり、景気の足を引っ張ること確実な評判の悪い政策である。

そろそろまた首相を交代するときが来たらしい。次が誰であろうと、嫌な結果に直面する前に問題に取り組まなくてはならない。成長促進に向けた減税や社会保障費や農業補助金の削減をしなければ、日本はこのままギリシャ化への道を進むだろう。

12月に示された2011年度予算案は、菅首相の財政健全化の訴えが偽りであることを示した。債務の対国内総生産(GDP)比率は既に200%に近づいているが、同予算案は過去最大に近い負債を債務残高に上乗せしようとしている。一般歳出と地方交付税交付金を合わせた歳出の大枠70兆8600億円のうち、44兆3000億円を新規国債発行で調達する。これに対し、歳入は41兆円にすぎない。支出の裁量的削減は小幅にとどまり、一般歳出の53%を占める社会保障費の野放図な増加に圧倒されている。

日本は、急速な高齢化のなか支払期限を迎える過去数世代の政治家の公約によって沈没しつつある。たとえば、拠出金不足の年金や高齢者の健康保険だ。その上、12年には団塊世代の最大の波が退職し始めることから、状況は悪化の一途をたどるとみられる。

バブル崩壊後の失われた20年が示すように、コンセンサスに基づいた日本の政治制度は、社会的な損失の分担をどうするかという話となるとお手上げだ。たとえば1990年代、政府は米国で現在進んでいるような浄化をもたらす再編を銀行に促すことはなく、そのため不良債権処理が遅れた。これにより、日本は本来より安定しているように映るが、創造的な破壊がなければ成長は取り戻せない。今回は各世代に影響が及ぶ。成長停滞のため高齢者への公約が一段と大きな負担となり、成長に向けた政策の追求が難しくなっている。

来年度の国債費は21兆5500億円と既に大きいが、10年債の金利を2%以下と想定している。利回りは当面これより大幅に低い水準にとどまるかもしれないが、最近の入札では国債投資欲に減退の兆しがある。来年度は退職者の貯蓄取り崩しにより国の債務が家計貯蓄を上回る見通しだ。このまま成長が低迷すれば、企業は引き続き現金留保に励むだろう。しかし、国が海外からの資金調達を余儀なくされることになれば、支払う金利は大幅に高くなる。

これは、予算案を台無しにする可能性を秘めている。国や地方の債務は現在900兆円程度とみられ、利回りが1ポイント上昇するごとに利息が9兆円増える計算だ。拠出金不足の年金などの債務を加えると、日本は既に、いくら歳出削減や増税をしても債務が増えるという段階に達している。

言い換えれば、日本はエコノミストの故ハーブ・スタイン氏の言う、持続不可能なものは持続しない、という状況に陥りつつある。形はどうであれ、危機は訪れる。

菅首相あるいはその後任が各種給付金を持続可能な軌道に乗せられれば、購買力の下がる退職者の怒りを買うだろう。しかし、議員を説得してそれを実現できなければ、税金は収奪同然の水準まで増加し、日本全体がさらにひどい損失に見舞われることは必至だ。そうなれば、菅首相の望む消費税増税が、タイタニックの上でのデッキチェアの並べ替えにすぎないことが露呈する。


現状の理念なき「消費税増税」なんて絵に描いた餅みたいなもの。「日本を元気にする」活力など到底望めない。多少勘のいい人であれば気付いているはず。

日本民族の終末論的世界観

2017年 日本システムの終焉   The End of Japan's System (光文社ペーパーバックス)

2017年 日本システムの終焉 The End of Japan’s System (光文社ペーパーバックス)

  • 作者: 川又 三智彦
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/08/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

今はなきツカサグループの元社長である川又三智彦氏の2006年著書。2007年初頭、図書館で手にしたペーパーバックが、自分の現代日本社会に対する意識と読書欲を覚醒させた。それ以後Amazonリストを活用し始め、自己の読書履歴をつけるようになった。
考えてみると自分はこの手の社会不安を煽る書物が結構はまるタイプだと思う。最初にはまったのは80年代のノストラダムスシリーズだった。予言書を通じて宗教に対する興味が高まり、種々の書籍を探し回ったことを覚えている。ある意味自分自身の啓蒙に必要なマテリアルだったのかもしれない。
そしてそれは日本民族全体にも当てはまるように思う。新しい時代の到来には「世の終わり」的な雰囲気と思考方式が付随して発生してこない限り、社会の変革は覚束ないのが我々日本人の性質なのかもしれない。就職氷河期と言われる現在の日本でも悲観論は根強く、様々なニュースが氾濫している。しかし現実には本当の意味で危機意識をもって活動している人たちは少数だ。問題を他人事のように嘯き一時的なブームを利用して楽しんでいる人たちが世論の中枢を握り、それに多くの人々が振り回される社会情勢が続く。自戒を込めて書くが、自分を含む一般人には行動を起こす意欲も手段もままならないのである。
そこで一信仰者として今の自分が理解すること、それはまず一度立ち止まって自分自身を見直すこと、自分の心が欲していることを確認し確信しそれを内側から解放すること、これが何よりも必要な作業だと考える。そのベースを構築したいというのが自分のブログ投稿の目的の一つだということを改めて認識する機会としたい。